赤ちゃんと会話

赤ちゃんは、お母さんの気持ちをいつも一緒に感じています。そして何より、お母さんの声に耳を澄ませ、お母さんに話しかけてもらいたいと願っています。赤ちゃんが望んでいるのは、お母さんの「大好きだよ」「宿ってくれてありがとう」というメッセージです。おなかの赤ちゃんに、話しかけてあげてみてください。おなかにいるときから一人前として認められ、心をかけてもらった赤ちゃんは、「生きるのって、すばらしい」「自分は自分として存在していい」と、確信できるでしょう。そんな自信を持って生まれ、成長できるなら、やがて人生の困難に出合うときがきても、自分の力で切り拓いていくことができるはずです。だから、おなかの赤ちゃんに話しかけることは、幸福な人生の礎をプレゼントすることでもあるのです。そして、赤ちゃんの「思い」にも耳を澄ましてほしい、ということです。

赤ちゃんとコミュニケーション

姿も見えないおなかの赤ちゃんとコミュニケーションするなんて、本当にできるかしら、と疑問に思うお母さんもいるかもしれません。 けれど、おなかの赤ちゃんに心を向け続けていると、ひらめきのようなかたちで、「赤ちゃんがいま、こんなことを思っているかもしれない」と、感じることがあるものです。そんなふうにコミュニケーションをして、お母さんと赤ちゃんの絆を深めておくと、生まれた後も、赤ちゃんの気持ちを感じとりやすくなります。

「どうして泣いているの?」「どうしたらいいの?」と悩むことも減りますから、マタニティブルーにもなりにくくなります。そのほかにも、おなかの赤ちゃんへの語りかけには、たくさんの効用があります。

まず、赤ちゃんを意識することで、お母さんは心身ともにリラックスし、自分の心を見つめるゆとりが生まれます。とくに、お父さんも一緒に赤ちゃんに語りかけてくれるなら、すばらしいことです。お母さんはお父さんの愛情を感じて気持ちが安定しますし、夫婦仲もぐんとよくなります。
もし上のお子さんがいるなら、上のお子さんにも赤ちゃんに話しかけてもらってください。赤ちゃんに話しかけていると、上のお子さんには「お兄ちゃん(お姉ちゃん)になるんだ!」という自覚が出てきます。こういう体験をしたお兄ちゃん、お姉ちゃんは、お産までに現実を受けとめる準備ができるので、赤ちゃんが生まれた後、ひどいやきもちを焼くことなく、かわいがってくれます。子育ては、「家族育て」でもあります。

赤ちゃんに仮の名前(胎名)をつける

妊娠がわかったら、おなかの赤ちゃんに仮の名前(胎名)をつけてあげましょう。赤ちゃんに話しかけてあげるときも、胎名をつけてあげると、赤ちゃんをイメージしやすくなります。胎名を覚えている子どもはときどきいて、お気に入りの人形に同じ名前をつけたり、ふと「ぼくがおなかにいたとき、○○つて呼んでいたでしょ」と言い出したりする場合もあります。おなかの赤ちゃんとのコミュニケーションは、ただ、赤ちゃんに話しかけてあげるだけでいいのです。赤ちゃんに話しかける内容は、なんでもかまいません。「お日さまが気持ちいいね」「おいしいご飯だね」「そろそろ寝ようか」など、日常のちょっとしたことを、□に出してみましょう。要は、赤ちゃんに大好きなお母さんの声をたっぷり聞かせてあげればいいのです。歌が好きなお母さんなら、おなかに向かって歌ってあげるといいでしょう。話しかける内容がどうしても思い浮かばないなら、とりあえず絵本を読んであげるのはどうでしょうか。

親子でゆったりした時間を過ごすのが目的ですから、お母さんがリラックスした声をかけられるなら、どんな方法でもいいのです。声色には、お母さんの心がすべて表れるものです。お母さんが肉声で愛情を込めて話しかけてくれると、赤ちゃんはその思いを感じて、嬉しくなります。

赤ちゃんにイメージで対話する

おなかの赤ちゃんとコミュニケーションするには、「イメージを使う」方法もあります。これは、心身ともにリラックスしてから、おなかの赤ちゃんをありありとイメージし、赤ちゃんの思いを直観で受けとるという、シンプルな方法です。おなかに赤ちゃんがいると、お母さんはふだんより直観力が高まっています。 ですから、イメージも浮かびやすく、楽しく取り組めるでしょう。「本当に赤ちゃんと話せるのかしら」「私の思い込みかもしれない」なんて疑っていると、うまく気持ちを伝えあうことができません。まずは、赤ちゃんの返事に興味を持ち、ふっと浮かんだひらめきを大事にしてください。最近では、「胎話士」とよばれる、おなかの赤ちゃんと直観によってコミュニケーションをとるスペシャリストもいます。複雑な問題を抱えているときは、胎話士さんに相談することが有効なケースもありますが、ほとんどの場合は、お母さん自身が直観でおなかの赤ちゃんとお話しするので充分です。赤ちゃんを気にかける思いさえあれば、きっと赤ちゃんと対話できます。慣れてくると、赤ちゃんはお母さんの質問について、かなり具体的なことまで答えてくれます。イメージ法の後は、日付を入れて、気づいたことや感じたことをメモしておきましょう。赤ちゃんからのメッセージを現実に生かしたら、イメージの中で赤ちゃんに報告し、やりとりを記録していくのもおすすめです。すると、コミュニケーションをさらに深められるだけでなく、赤ちゃんが生まれた後、子育ての参考にすることができます。しばらく赤ちゃんを意識しないでいると、久しぶりに赤ちゃんをイメージしたとき、「もっと私に話しかけて」と言われるお母さんもいるようです。上の子の世話に追われていたり、産休ぎりぎりまで働いていると、おなかの赤ちゃんの存在をつい忘れてしまうこともあるでしょう。けれど、忙しいときこそ、意識的に赤ちゃんをイメージする時間を持ってほしいのです。イメージ法を実践すると、赤ちゃんは決して未熟なだけの存在ではなく、ポジティブで、それぞれ個性的であることがわかります。そして赤ちゃんは、お母さんの体をいたわるだけでなく、心の成長も助けてくれます。赤ちゃんに意識を向け、思いを伝えあおうとすると、赤ちゃんはとても喜び、気持ちよくなるようです。イメージ法を始めたとたんに胎動が激しくなったり、イメージのなかでにこにこ笑い出す赤ちゃんもいます。そして同時に、お母さんも心身ともにゆったりします。心の奥にふれる時間を持てば、それまで封じ込めていた感情に気づくでしょうし、人生を見つめ直すことにつながるかもしれません。せわしない現代社会では、心を見つめるチャンスはなかなかありません。その意味では、赤ちゃんはお母さんに、深い精神的な時間をプレゼントしてくれるのです。

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